覆面歯科医がこっそり伝える「歯医者さんの選び方」

~あなたに合った歯医者さん探しをお手伝いするブログ~

お医者さんが選ぶいい歯医者さん

 

 

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こんにちは、覆面歯科医です。

 

先日ある認知症専門医の先生のブログで歯科受診の重要性や歯医者さん選びについての記事を読ませていただきました。

 

とても分かりやすい内容で、その中に歯医者さんの選び方についての項目もありましたので、歯医者さん選びについて勝手に現場の歯科医師としての見解も含めご紹介させていただきます。

 

引用させていただくブログ

 

 

ブログを書いた先生について

このブログを書いている長谷川 嘉哉先生は岐阜県で認知症専門医として認知症外来や在宅医療、介護サービスなどを行っている方でした。

 

詳細はプロフィールをご確認いただければと思いますが私が注目したポイントはこの先生は医科のクリニックに歯科ユニット(歯科医院にある歯科用のチェアー)を設置して、歯科衛生士も雇用しているというところです。

 

日頃医科歯科連携を行っていても、歯や口の中のことをあまり重要視していただけない医科の先生が多い中で医科クリニックに歯科ユニットを設置し、歯科衛生士を雇用しているという歯科への理解の高さと実行力にまず感服しました。

 

また、恥ずかしながら歯科関係でありながらブログを拝見するまで知りませんでしたが

 

「認知症専門医が教える!脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!」(長谷川 嘉哉著)

 

という本の著者でもありました。これから購入し、読ませていただくため内容まではお伝え出来ませんがタイトルからも歯の大切さについて考えていただいていることがわかります。

 

歯医者さん選びについて

一般の方が歯医者さん選びについて書いているものや歯科医師が歯医者さん選びについて書いているものなどはよく見ますが、この長谷川先生がお伝えしている歯医者さん選びはそれらとは一味違ったポイントでした。

 

歯科医師としてもなるほどなと思うことも多くあったため、記事の内容を引用させていただきながら、歯科医師として私的検討も加えてご紹介させていただきます。

 

ブログより

 

4.間違いない歯科医の選び方

間違いない歯科医を選ぶポイントは、先ほど、ご紹介したように自費診療のメリットをしっかりっ説明してくれることが一つです。それ以外にも世の中に2~3割しかないメンテナンスに取り組んでくれる歯科医にかかることが大事です。以下も参考になさってください。

 

長谷川先生はこのブログの中で歯科の保険診療の限界保険外診療についてのメリット、またそれについて説明することの重要性を書いています。

 

歯科の保険診療については当ブログの「保険診療のいま」も合わせてご参照いただければと思います。


 

そして、特に歯周病の予防歯科への関心が高く、メンテナンスといった定期管理型の歯科医院を選ぶポイントについての項目を挙げていました。

 

一歯医者がご高名な先生のブログにコメントするなど、と思いましたが僭越ながらご紹介させていただきます。

 

4-1.ホームページは患者さんもスタッフも見ている

今の時代、患者さんへの丁寧な説明は必須です。そのためには、ホームページで歯科クリニックの理念・取り組みを情報発信することは患者さんへの最低限の義務です。

その上、ホームページは患者さんだけでなくスタッフも見ています。ホームページもない歯科診療所には優秀な人材も集まりません。

 

早速医療系の経営やマネジメントについてのプロである方らしい内容で

丁寧な説明は必須、

情報発信は最低限の義務、

そしてそこがしっかりしていないと優秀な人材確保もできない!

とズバッとコンサルティングしてもらっているかのような内容で私も背筋がピンとなりましたがやはり首都圏や都市では歯科医院数が多いこともありホームページを持っていることは当たり前となりつつあると思います。

 

地方の歯科医院や都心などでも開院年数の長い歯科医院ではホームページを持っていない歯科医院もありますが、実際に受診する前にその歯科医院の情報を多く得られるという点ではやはりホームページを参考にすることで選びやすくなると言えます。

 

4-2.歯科衛生士がいるか?

歯科衛生士がいないような歯科医に受診してはいけません。従来の、歯が痛くなったら治療するという昔のスタイル。このレベルの歯科医には、そもそも歯科衛生士さんは不要です。歯科医師のレベルも低いと言わざるを得ません。

 

歯科の開業医は全国で7万件程度と言われています。平成28年末現在の就業歯科衛生士数は123,831人、そのうち90%にあたる10万人程度が診療所で働いています。つまり、7万件ある診療所1件当たりの歯科衛生士の数は1.5人程度なのです。しかし、これはあくまで平均値であり、現実は偏在しています。つまりメンテナンスを積極的に行っている歯科クリニックに歯科衛生士は集まっています。逆に、いまだに治療の助手程度にしか扱われていな歯科クリニックには、歯科衛生士は集まらないのです。

 

これは先にも挙げた予防や定期管理について重視する場合には歯科衛生士が必須であるという考え方からはその通りです。

 

歯科医院にいる歯科衛生士の人数についてもありましたがそもそも歯科衛生士が何人いるかを把握することが難しいこともあります。

 

歯科医院で働くスタッフとして歯科衛生士も歯科助手も女性であることがほとんどであるため一般の方がそれらを見分けることは難しい、というよりは不可能です。

そのため歯科医院側が歯科衛生士と歯科助手を、

『ユニホームで歯科衛生士と歯科助手を分けている』

『見えるところにスタッフ紹介など歯科衛生士と歯科助手がわかるようにしている』

といった歯科衛生士を歯科衛生士として、歯科助手は歯科助手としてしっかりと分けており、そのうえで歯科衛生士数が多いということが大切です。

 

歯科衛生士と歯科助手は国家資格取得の違いからできる業務内容が異なり、給与も異なります。人件費を考えた場合、歯科衛生士の方が高くなります。そのため人件費の高くない歯科助手が多くいて、歯科衛生士と歯科助手が見分けにくい状態で業務内容も曖昧という歯科医院はあえてそのようにしている可能性もあり、それはいい歯医者さんとは言えません。

 

この項目について付け加えさせていただくと歯科衛生士と歯科助手がはっきりとわかる状態の上で、歯科衛生士数が多い医院は予防や定期管理においては力を入れている歯科医院と言えます。

中でも歯科衛生士が担当制である、歯科衛生士専用の診療チェアがあるといった歯科医院は特に予防や定期管理のスタイルと言えます。

 

4-3.チェアの数が認知症を予防する

できれば歯科診療所を選択する場合、診療チェア数は5台以上のクリニックが安全です。実は歯科クリニックの診療チェア数の平均は3台です。しかし3台ではどうしても治療が治療が中心になってしまい、メンテナンスが十分に行えません。

 

こういった話をすると必ず「当院は小規模ですが丁寧な治療をしています」との反論が出ます。しかし我々には外から診療レベルがわかりません。あくまで確率論から言えば、チェアーが5台以上ある歯科診療所に受診した方が、安全と言えるのです。

 

診療チェアの数についてです。

こちらについてはチェアの数と歯科医師や歯科衛生士数とのバランスが重要かと考えます。

例えば診療チェア3台の歯科医院。歯科医師1名、歯科衛生士2名。

患者さんが3つのチェアに同時に座り、歯科医師が3つのチェアを行き来しながら3人を同時進行的に治療を行って、型を取る、詰め物をするなどサポート的な処置を歯科衛生士が行う。

このような診療スタイルの場合、これは治療中心の歯科医院と言えます。

 

一方同じくチェア3台に対して歯科医師1名、歯科衛生士2名。

患者さんが3つのチェアに同時に座り、一人は歯科医師が付きっきりで治療。

他のチェアでも歯科衛生士2名がそれぞれ各チェアに付きっきりで治療。

このような診療スタイルの場合は予防や定期管理の歯科医院と言えます。

 

また、これがユニットが5台以上となっても歯科医師の人数が増えただけで患者さんの同時進行型の診療スタイルでは治療中心であると言えます。

したがって確率論から言えば5台以上のチェアの医院が安全と言えるかもしれませんが実際には一つのチェアに対して歯科医師や歯科衛生士がどのようなスタイルで診療にあたっているかを見ることで治療中心か予防やメンテナンスに力を入れているかをはかる目安になると思います。

 

4-4.できれば医療法人

メンテナンスを積極的に行うには、それなりの設備・人の雇用が必要になります。そのためには、歯科クリニックの経営的基盤が不可欠です。一般的には、多くの患者さんに支持されて年商が一億円を超えると個人立から医療法人になることが多いようです。2016年10月1日現在の資料では歯科クリニック68,940件のうち、医療法人は13,393件と約19.4%です。

 

不思議ですが、自分が医科歯科連携を始めて、積極的なメンテナンスをしてくれる歯科医院が2~3割である、と感じた数字に近いのです。

 

これも医療関係の方ならではの着眼点で関心しました。

設備や人件費の確保のためには当然お金が必要であるため、基盤としてしっかりしている医療法人を選ぶという点では良い判断材料になります。

先にも書いたように歯科衛生士と歯科助手では歯科衛生士の方が人件費は高くなるため、その歯科衛生士を必要な人数だけ雇用するという部分でもお金は重要です。

 

あえてポイントを追加すると治療中心で行う医院でもそのスタイルで収益を上げることが可能であるため予防や定期管理に重きを置くのであれば、医療法人であるということでスクリーニングした後にどのような診療スタイルであるかを合わせて判断すると確実です。

また、医療法人ではない個人医院であっても予防や定期管理に力を入れている歯科医院も当然あります。

 

4-5.マスクを取って説明をするか?

接遇を教える先生や歯科大学では、「患者さんに説明するときにはマスクを取って説明する」ように指導されるようです。しかし、実際の歯科医さんでは、なかなか実践されていないようです。しかし、私がお付き合いしている優秀な歯科医の先生は、必ずマスクを取って説明されます。一度気にしてみてください。

  

最後に接遇についてですがこれは納得の項目です。

その歯科医院がいかに細部にも気配りが行き届いているかを見るためのポイントとしてはもってこいだと思います。

マスクと治療用手袋(グローブ)は治療の時だけ、それ以外は外す。

これ一つで接遇+感染対策への配慮を同時に判断することができます。

 

最後に

今回は長谷川先生のブログを引用させていただき、歯科医師としての私見も交えていい歯医者さんの選び方についてお伝えしました。

率直に歯科のことをここまで考えていただいている医科の先生がいらっしゃることがとてもうれしかったです。

 

今回の歯医者さん選びのポイントとしては長谷川先生が推奨するような歯周病の予防やメンテナンスをしっかりと行っていきたいという方にはとても重要なポイントが抑えられていると思います。

 

現場の歯科医師として日頃から気を付けることを改めて考えるきっかけとなり、私自身とても勉強になりました。

みなさんの歯医者さんの選び方のご参考にしていただければと思います。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

これからも歯医者さん選びについてお伝えしていきたいと思います。